Ubuntu 24.04 + Radeon / Intel GPU でメインウィンドウ最大化で起動すると落ちる

Ubuntu 24.04にRadeonかIntelのGPUを組み合わせている環境で、メインウィンドウを最大化する設定でChoreonoidを起動すると、起動時にクラッシュしてしまい、起動できない症状が確認されています。

Ubuntuの他のバージョンや、NVIDIAのGPUを使用する場合は、この症状は発生しません。ウィンドウを最大化しない設定の場合も発生しません。

また、Ubuntu 24.04ではデフォルトでQt6が使用されますが、Qt5を使用する設定でビルドしたChoreonoidでは、問題が発生しません。

対象のChoreonoidのバージョンとしては、リリース版の2.2と、それ以降の開発版の全てのバージョンで発生することを確認しています。

現在調査中ですが、Ubuntu 24.04におけるRadeon / Intel GPU用のディスプレイドライバとQt6の組み合わせで発生する、システム側の問題である可能性もあります。

Ubuntu24.04において、当面は以下のいずれかの方法でこの問題を回避してください。

  1. NVIDIAのGPUを使用する
  2. メインウィンドウを最大化せずに使用する
  3. Qt5を使用する

2について、すでに最大化する設定になっていて、設定を変更しようにもChoreonoidを起動できないという場合は、Choreonoidの設定ファイルを直接編集することで対処できます。

具体的には、ホームディレクトリの “.config/Choreonoid” ディレクトリに、“Choreonoid.conf” というファイルがあります。これがChoreonoidの設定ファイルになりますので、このファイルをテキストエディタで開いて編集します。(choreonoid_rosを用いてROS2で使用している場合は、“Choreonoid-ROS2.conf” というファイルになります。)

このファイルやYAMLで書かれていて、メインウィンドウに関する以下のような記述があるかと思います。

MainWindow:
  width: 1393
  height: 929
  maximized: true
  full_screen: false
  show_view_tabs: true
  show_status_bar: true

ここの maximized: true となっている部分を、falseに変更して保存します。すると次回起動時に、最大化がオフの状態で起動されます。

3については、qt5関連のaptパッケージをインストールした上で、Choreonoidビルド時のCMakeの設定で、 “CHOREONOID_QT_MAJOR_VERSION” という変数に “5” をセットしてビルドします。

Choreonoid側の修正でこの問題を回避できないかについても今後調査してまいります。この件に関して何か情報がありましたら、ここでお知らせいただければ有り難いです。

どうもこれはQt6のWayland対応の問題であるようです。Web上に関連する報告が多数あります。Waylandというのは最近のUbuntuで使われているディスプレイサーバです。

Qt6の改善を期待しつつ、当面は上記の方法で対処することになりそうです。